こんにちは
今回は楽器界隈でよく使われる「デジタル臭い」という言葉について書きます。
そもそも「デジタル臭い」って?
そもそもデジタル臭いって何なのか?
私にもよくわかりません笑
しかし、これで終わっては話にならないので、世間での使われ方から推察しますと、弾いていて違和感がある or 音が悪いということを抽象的に表現した言葉なのだと思っています。
また、その主な要素としては次の3つくらいが考えられるのではないでしょうか。
音質の悪さ?
音を処理する際の情報量が今と昔では異なりますので、昔のデジタル製品は単純な音質の悪さが気になったのではないでしょうか。とはいえ、同じデジタルと言ってもスペックによって音質は全く変わりますので、一様に判断することはできないと思います。
ビットレートによる音質の違いの例として、 こちらは私の曲の一部をmp3の320kbpsと64kbpsで書き出したものです(数字が大きいほど音質が良いよ)
これはかなり極端な例ですが笑
遅延の大きさ?
アンプシミュレーターなどでは微小な遅延(レイテンシ)が発生します。これによる違和感をデジタル臭いと表現しているたのではないでしょうか。
最近のアンプシミュであれば単体で弾いていて気になるような遅延を感じることはないと思います。しかし、以前に横に並べて弾き比べてみると特に遅延の小さいGT-1000に比べて、AX8やHelixなどは極わずかな遅延が感じられました。
アンシミュ、エフェクトの再現度が低かった?
アンプシミュレーターの場合などでは、単純な音質や倍音等の基本的な部分からピッキングの強弱による音の違いや、ボリューム操作への反応など複雑な要素を再現するだけのマシンスペックやソフトウェア技術が足りず、リアリティーの無さをデジタル臭いと表現していたのかもしれません。
デジタル機材の進化は目覚ましい
とはいえ、機材の進歩は凄まじく、BOSSのGT-1000などは32bit float(ダイナミックレンジ自体は24bitと同じらしい)、92kHzでの処理を実現しており、単純なスペックで言えば人間に違いの分かる範囲はとっくに超えていると思うんですよね笑。ビットレートで言うとモノラルで96kHz×24bit=2,304kbps(単純に比較していいモノかは分からないですが・・・)
レイテンシについても特にGT-1000はとにかく反応が早く、相当うるさい人でもこれなら気にならないんじゃないかと思います。
アナログのエフェクターでも〇〇アンプを再現!とかAIAB(amp in a box)系も大量に出てますが、本当にアンプっぽさを求めるなら、個人的には最新のアンプシミュレーターの方が遥かに近いと思います。(逆に言うとアンプ再現系エフェクターの限界は結構低いんじゃないかなと・・・)
しかし、まだ改善の余地はあり
しかし、スペック最強のGT-1000ならばアンプの音がそのまま出るのかと言えばそうではないのが楽器の難しいところ・・・
とはいえ、今の機材のレベルとしては殆どの人は聴くだけでは違いが分からないところまで来てると思います。耳の良い方や熟練者は自分で弾けば分かる人もいるでしょうけどね。
ハードウェアスペックの問題が解決された今、さらなる改善に向けて重要となるポイントは結局、開発者の耳の良さという原点に戻ってくるのだと思います 。2011年に発売されたKemperが未だにトップに立っていることからも分かるように、結局メーカーの音作りのセンスの方が、スペックよりも大切なのは間違いないですよね。
まとめ
つまるところ、「デジタル臭い」とは過去のデジタル機材のクオリティがまだ低かった時代に、デジタル機材にありがちな音の悪さの総称として使われるようになり、その名残で大体の人が適当に使っているというのが私の考えです。
LINE6のPODとかの時代であれば私も分からないではないのですが、AXE FX3などの最新の高価な機材でさえデジタル臭いと言う人がいれば、物を先入観で見て、本質を見極める経験・能力のない人の可能性がありますので、そういう人の話は話半分でいいかもしれません笑。(本当にメチャクチャ耳が良い人だったらごめんさい)
結局、何が言いたいのかというと、最近のデジタル機材の進歩は凄まじいので先入観だけで選択肢から外すのは勿体ないということです!
是非、ご自分で試してみて、本当に駄目だったらツイッターとかでみんなに共有してあげて下さい!笑
そして、その時は「デジタル臭い」で終わらせず、具体的な言葉で教えてもらえるとますます嬉しいです!
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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