皆さん、こんにちは。
エレキギターをやってらっしゃる方であれば、足元に転がってるシールドケーブルが邪魔だな…コレが無くなればな…と思ったことが一度は必ずあると思います。
ということで、今回はBOSSのワイヤレスシステム「WL-20」をご紹介していきます。
BOSS WL-20
「WL-20」はBOSSが2018年7月に発売した、ギター用ワイヤレスシステムです。
ちなみに、「WL-20L」というモデルもありますが、違いはケーブル・トーン・シミュレーション(3mシールドケーブルの音質変化を再現)の有無です。WL-20Lはこの機能がついていません。
製品の特徴
コンパクト
プラグ込でも9×4cm程度しかないので、ギターケースのポケットにも余裕で入ります。ギターに接続した際にはみ出るのも5cm程度なので、これくらいであれば気にならないですね。
トランスミッター、レシーバーがともにジャックと一体化しているのは手軽で良いと思います。LINE6はトランシーバと専用ケーブルでギターを接続する形で、レシーバーもペダル型ですよね。
ちなみに、旧型ジャック(凹んでるやつ)のテレキャスターでも問題なく使用できました。
ペアリング、セッティングも簡単で早い
レシーバーにジャックがついており、そこにトランスミッターを接続することで両機のペアリングおよび、周囲の環境を分析した上で最適な設定が自動できます。
また、これは毎回やらなければならないわけではなく、例えば家でずっと使う場合などであれば一度やっておけば、それ以降はそのまま使えます。
ちなみに、ギターワイヤレスでは2.4GHz帯を使っていますが、チャンネルの仕組みとかが気になる方はこちらを読んで見てください→ 無線LANのチャンネルの割り当て方
レイテンシーは比較的小さめ
スペック表に記載のあるレイテンシーは2.3ms(0.0023秒)です。
音速が秒速340.5mとしたとき、「340.5m×0.0023sec=0.78m」なので、アンプとの距離がおよそ80cm離れた時の遅延と同じようなものと考えると、そうそう気にはならなさそうですよね。
しかし、不思議なもので普通のシールドと順番に弾き比べたりしてみると、わずかな違和感は感じないでもないですね。(気のせいかもしれないですが)
弾いている本人だけは音が出る前に、弾いて音が出るタイミングが分かっているから違和感を感じるのかもな~と思いました。ただ、単体で弾いて違和感を感じることはあまりないかと思います。
録音時のWL-20と有線の差を比較したところ、およそスペック通りで2.4ms程度でした。(画像は一目盛り0.0001秒)
ちなみに他社はこんな感じ↓
- LINE6 RELAY G10:2.9ms未満
- LINE6 RELAY G70:1.5ms未満
- SENNHEISER XSW-D:4ms未満
- Xvive XV-U2:6ms未満
電池持ちが良い
一度のフル充電で10時間使えるということになっています。他社製品と比べても電池持ちは良い方ですね。
- LINE6 RELAY G10:8時間
- LINE6 RELAY G70:8時間(単3電池)
- SENNHEISER XSW-D:最大5時間
- Xvive XV-U2:5時間
サウンド比較
下記、録音環境です。ギターはFenderCS ’52Telecaster
I/F → Radial X-AMP(DI) → Shinos&L Rocket → BOSS TAE → OZ-1000mobile(マイクプリ) → I/F
BOSSのWL-20、CANARE(3m)、VOVOX(6m)の3種類で録音しました。
WL-20は有線に比べて音に芯がないとでもいうのか、かなりボワッとしていますね。
原因としては、ワイヤレスだから音質が落ちているとかではなく、ケーブル・トーン・シミュレーションがやり過ぎなのかなと思います。どんなシールド使ったらこんなにハイ落ちするんだよという感じ…2○6の備品ケーブルじゃあるまいし…
はっきり言って、2機種に分けたりしないで素直にこの機能のON/OFF付けるべきでしたね。
ハイを抑えることで扱いやすい面もあるし太い音と言えなくもないので、この音が必ずしも悪いとは思いませんが、シールドというエレキギターの音色の基本となる部分で、ここまで極端に音質が変わってしまうような機能がOFFに出来ないというのは個人的にはありえないですね。
その他
出力インピーダンスは1kΩ(BOSSのコンパクトと同じ)とローインピーダンスになっているので、ファズを使っている方などは注意が必要ですね。
感想
評価:2.5/5点
数年前からのBOSSは良い製品をどんどんと出しているので、今回のワイヤレスシステムも期待していました。
個人的な感想としては、使い勝手や製品としてのクオリティは高いのですが、肝心の音質の面でケーブル・トーン・シミュレーション機能が全てをぶち壊しているという感じでしょうか…
私の持論として、あるものを削ることはできても、一度無くなってしまったものを戻すことはできないので、シールドケーブルで音作りの幅が狭まるのは好ましくないと思っています。
メーカーはパッシブPUのエレキギターには「WL-20」を推奨していますが、今後、BOSSのワイヤレスシステムを検討している方がいれば「WL-20L」も検討された方が良いかもしれません。
それでは、今回もありがとうございました!
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