【解説】Kemper Profilerの音作り :キャビネット設定について

今回はKemperのキャビブロックのパラメータについて簡単に解説していきます。

スポンサーリンク

High Shift/Low Shift

まず公式の解説を引用しておきます。

「High Shift」「Low Shift」パラメーターで、キャビネット・プロファイルのフォルマントを調整します。感覚的にはキャビネットのサイズを変化させるイメージです。「High Shift」で高音域のフォルマントを強調し、「Low Shift」では低音域 の調整を行います。

http://www.korg-kid.com/kemper/wp-content/themes/codeus/images/pdf/KEMPER%20PROFILER%20Main%20Manual%207.0%20(Japanese).pdf

説明にもあるように単純なハイパス・ローパスのようなものではなく、複数の帯域が同時に変化していきます。

用途としては、ローが出過ぎで邪魔に感じる場合はLow Shiftを僅かに上げてあげるとスッキリします。

また、それぞれの帯域を少しずつ絞ってあげた方がマイク録りっぽさは出てくると思います。

どちらも効きが良いパラメータですので、基本的に少しだけ回すようにするのが良いと思います。

スポンサーリンク

Character

このパラメーターでキャビネットの全体的なキャラクターを調整します。ノブをセンターから右側へ回すとキャビネット の周波数特性のピークやノッチがより険しくなり、そのキャビネットの特徴がより強調されます。回し過ぎると音のヌケ が良すぎて浮いたサウンドになってしまうこともありま す。逆にセンターから左側へ回していくと周波数特性のピークや ノッチが穏やかなものとなり、よりフラットな特性に向かいます。左いっぱいに回した状態では、アナログのキャビネッ ト・シミュレーターを通したようなサウンドになります(そのようなシミュレーターの周波数特性は非常にシンプル で特徴 の少ないものが多く見られます)。

http://www.korg-kid.com/kemper/wp-content/themes/codeus/images/pdf/KEMPER%20PROFILER%20Main%20Manual%207.0%20(Japanese).pdf

モニタースピーカーから出す際、生っぽさ(キャビネットから直接聴こえる音っぽさ)が欲しい時に+1.0~+3.0の間くらいで上げてあげると良いと思います。本来はピュアキャビネット機能がその目的のためにあるのですが、キャラクターも一緒に設定してあげることでよりそれっぽくなると思います。

スポンサーリンク

Pure Cabinet

前章で説明したとおり、マイクで収音したギター・キャビネットの音は、高域が少し耳ざわりだったり、フェイジングが 起こっていたりすることが多くあります。これに対しギター・キャビネットから直接聞こえる音の場合はそのような部分が目立ちません。

「PURE CABINET™」は、マイクを通じてプロファイルされた音に少し磨きをかけ、ギター・キャビネ ットから直接聞こえる音に近づける機能です。もちろん「PURE CABINET」を適用しても、ギターアンプ・サウンドの基 本的なキャラクターが変わってしまうことはありません。 CABINET モジュールがオン、つまりキャビネットからの音をマイクで収音した音を再現しているリグには「PURE CABINET」が適用できます。レコーディングでもライブ PA でも、フルレンジのモニターやインイヤー・モニター、ヘッ ドホンからの音に効果が現れます。どの CABINET にも自然に適応しますが、特に歪んだ音で、ギター・キャビネットから直接聞こえる音には無い耳障りな高域が気になる場合に試すと効果が判りやすいでしょう。逆にクリーンなサウンドの場 合は、変化を確認するのが難しいでしょう。

http://www.korg-kid.com/kemper/wp-content/themes/codeus/images/pdf/KEMPER%20PROFILER%20Main%20Manual%207.0%20(Japanese).pdf

アンプシミュレーターをモニタースピーカーで鳴らす場合はキャビネットシミュレーターを通すことになるわけですが、今までは結局キャビネットから出た音をマイクで録音した音の再現であって、キャビネットから直接聴こえる音の再現ではなかったんですよね。

そして、キャビシミュの音を実際のアンプからの出音に近づけてくれるのがこのピュアキャビネット機能です。キャビシミュがマイクを通した音なのは個人的にもずっと不満でしたので、この機能は本当にありがたいですね。

実際にどういう処理をしているのか気になりアナライザで確認したところ、キャビネットごとで変化している帯域が違うようでしたので、決まった帯域に処理をしているのではなく、それぞれのキャビネットモデルに合わせて、マイクの周波数特性を打ち消してフラットに近づけるような処理をしているようですね…スゴイ…

このパラメーターに関してはキャビネットモデルによって適切な値も変わってきますので、自分の好みの値で設定してみてください。ただ、上げ過ぎると味気ない音になるので、そこだけ注意したほうが良いかもしれません。

オマケ:IRの方が音が良い?

最近はキャビシミュといえばIRという流れですが、個人的な印象としては、良いIR>>良いKemperキャビ>駄目なIR>普通のKemperキャビという感じです。しかし、Kemperキャビの方がやはりパラメーターの効きは良いですね。

IRですと個人的にはOwnHammerやCelestionの物がオススメです。日本だとF884とかが話題になってますがやたらパツパツした音(良く言えば迫力がある)で個人的には人を選びそうな印象です。

また、IRの利点として複数のファイルを混ぜることで自分好みのIRファイルを作ることができるのもいいですね。例えばルームマイクを混ぜて空気感を足したり、リアマイクを混ぜて厚みを出す等色々できます。

2020/03/31追記:IRの紹介記事を書きました!↓

OwnHammer VC30キャビネットIRの紹介~IRファイル770個!~

Celstion IRの紹介 ~餅は餅屋?~

まとめ

Kemperのライン出しの音に関しては、キャビネットが占める割合もかなり高いですので、IRの検討も含めて色々試してみてください!

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

それではまた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました