皆さん、こんにちは。
今回のテーマは、国産マイクプリアンプ「OZ-1000 mobile」です。
ギターのライン録音でも想像していたのとは別方向でかなりの効果があったので、ご紹介したいと思います!
oz design
HPはこちら→https://oz-design-products.com/index.html
下記、メーカーさんのAbout usです。
oz designとは、アナログ音響機材のガレージメーカーです。
https://oz-design-products.com/index.html
代表である私自身、歌や楽器の録音をする機会が多くあり、レコーディング機材にも数多く触れてきました。
ある一定の録音はデジタルの進化とインターフェースの多様化(マイクプリアンプ内臓のインターフェースなんて今や普通)で容易に行えるようになりましたが、その先、何か物足りない感覚を持つようになりました。
しかし、音に定評のあるVintage品はとにかく高く、ディスクリートの機材は尚更でした。
そこで、「皆が手を出せる価格でどこにも負けない機材を作ろう」と思ったのがレコーディング機材を作り始めたきっかけです。
現在、第一線の方々にもご愛顧いただき、あの頃メーカーを始めたことがこんなに拡がったことを嬉しく思います。
と同時に、初心を忘れず緻密でアイディアを凝らした製品を作り続けていく所存です。
oz design 代表 大園
手の届く価格で高品質なサウンドをコンセプトに、SNSなどで知名度を上げられている日本のガレージメーカーさんです。
高価な名機たちを多数、解析した経験から他にも沢山のラインナップを揃えており、マイクプリアンプ意外もとても気になっています…
OZ-1000 mobile 1chマイクプリアンプ
商品ページです→https://oz-design-products.com/oz-1000mobile.html
「OZ-1000 mobile」は、oz designの1Uラックサイズのディスクリートマイクプリ「OZ-1100」のモバイル版です。
サウンドを優先すると「OZ-1100」の方が良かったと思うのですが、あまりスペースも無いし、1chで十分だろうということでモバイル版を選びました。ちなみに、ラック版ではオプションで電源アダプタではなく、直接電源ケーブルを接続する形式に変更可能なのも大きなメリットですね。
デフォルトでは、操作系はゲインつまみ、ファンタムスイッチ、Phaseスイッチのみですが、こちらはカスタム版のためインピーダンス切り替えスイッチが追加されています。
ちなみに、スイッチは全て下がOFF、上がONのようです。
ゲインつまみはロータリースイッチになっていて、5段階切り替えになっています。これは、以前に仕様した際の設定を容易に呼び出せるようにという配慮だそうです。
こちらも通常はXLRのIN/OUTですが、入力のみコンボジャックに変更しています。
カスタマイズ
標準オプションに加えて、個別のカスタムもして貰いました。変更点としては下記です。
標準オプション
- 入力トランスをOEP→Lundahlに変更
- 出力トランスをOEP→Lundahlに変更
サウンドの違いですが、OEPは重心低めでVintageっぽさもあり、Lundahlは帯域が広く癖のない傾向にあるとのことです。
個別オプション
- 入力ジャックをXLR/フォンのコンボジャックに変更
- 入力インピーダンスをXLRは600Ω↔2kΩの切り替え、フォンは1Mの固定に変更
デフォルトの仕様ですと、入力はXLRはのみでインピーダンスも600Ω固定です。マイクによっては2kほど欲しい場合もあるので、切り替え機能を追加してもらいました。
また、ギター、ベースの生音の録音にも使いたかったので、入力をコンボジャックにして、XLRとフォンでインピーダンスをそれぞれ違う値にしてもらいました。
問い合わせについて
個別オプションに関する相談はメールで出来ます。代表の大園さんが対応してくださったのですが、毎回、お返事も早く、とても丁寧にご対応いただけました。
また、オプションの追加料金についても良心的な価格でした!
このような、柔軟な対応が可能なのもoz designさんの魅力ですね。
サンプル音源
下記、環境です。ギターはFenderCS ’52Telecaster
I/F(RME UCX) → Radial X-AMP(DI) → Divided by 13 SJT10/20 → BOSS TAE → (OZ-1000mobile(マイクプリ)) → I/F
「OZ-1000 mobile」は一番ローゲインの+10dB、RME UCXもそれに合わせてインプットゲインを+10dBにして録音しています。
また、「OZ-1000 mobile」では入力インピーダンスを600Ω、2kΩのそれぞれに切り替えて録音しています。
SJT10/20 ローゲイン ※音量注意かも
SJT10/20 ハイゲイン ※音量注意かも
感想:音像の広がりが違う!
まず、一番大きな変化を感じたのが音像の大きさです!
RME UCXで録音した場合では、音像の縮こまったような窮屈な印象が以前より気になっておりました。
しかし、「OZ-1000 mobile」を通した場合では、のびのびと鳴っている印象で音像に広がりを感じますね。また、Lundahlトランスの影響か高域が適度に柔らかくなる印象があります。
インピーダンスの差では、前段のBOSS Tube Amp Expanderの出力インピーダンスが600Ωですので、「OZ-1000 mobile」のインプットを600Ωにした際に1:1になってます。
そのためか、600Ωを選択した場合は落ち着いてのびのびとした広がりを感じるサウンドで、2kΩではそこから高域寄りの印象になりますね。ギターだと2kの方がそれっぽいかも?ちなみに、RME UCXのXLRインプットのインピーダンスも2kΩです。
RME UCXも16万円と十分良いお値段のするオーディオインターフェースなのですが、それでもここまで違うとは…
気になったところ
- 電源ON時のポップアップノイズ
- ランプが無いのでスイッチを見なければ電源ON/OFFの判断がつかない
電源ON時のポップアップノイズはこういう機材ではよくある物なのですかね?今回が初めての機材のため分からず…
あとは、電源ランプが無いのも地味に不便ですね、小型化の影響で仕方ないかもしれませんが。
また、起動後ゲインつまみを回してもポップアップノイズが出ますが、これは電源バイアスが安定するまで時間がかかる仕様の影響のようで、数分待てば出なくなります。
おわりに
評価:4.5/5点
今回、初めてのマイクプリアンプ購入だったのですが、影響の大きさに驚きました!
今までは、I/Fで録音してからプラグインかければいいと考えていたのですが、マイクプリアンプを通した音像の広がりを体験すると、色々なハードプロセッサーが気になってしまいますね…
今回のサンプル音源はギターでしたが、音像の広がりはボーカル録音で特にメリットが大きいと思いました!(また時間があればボーカルの比較音源も追加したいと思います)
今まではステレオイメージャーで広げていたのですが、コレがあれば要らないかもしれませんね。
このクオリティが7万円代で買えるというのはとてもありがたいです。(デフォルト仕様では税込み49,800円+送料800円!)
「OZ-1000 mobile」が良かったので、最早これを手放してラック版のカスタムに買い替えたいなとも考えています笑(電源アダプターからACインレットになると、そこでもかなり変わると思うんですよね…)
メーカーのoz designさんは、最近ますます注目度が上がっており、これからお忙しくなっていくかと思いますので、気になった方は早めにオーダーしておいた方が良いかもしれません^^
それでは、今回もありがとうございました。
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