こんにちは。
メルカリ、ヤフオク等で高級ギターガチャを回しまくって学んだことや、ギター改造・実験で得た経験から、鳴るギターの見極め方について書いていきます。間違ってたらごめんなさい笑
最初に
私のギター遍歴を書いておきますね。※が手元に残しているギターです。
- Elioth 初心者ストラト
- Fender Japan SSHストラト
- Fender Japan テレ
- Fender American Deluxe テレ
- DonGrosh Bent top(SSHストラト) ※
- Freedom テレ
- DonGrosh テレ
- Freedom Hydra classic (HSHストラト)
- James Tyler Japan テレ
- Fender Custom Shop テレキャスター
- Addictone テレ
- LsL Instruments テレ※
- Fender Custom Shop テレ※
オーラ
私が最近導入している選び方です。やっぱり鳴るギターとそうでないギターって面構えが違うんですよね。私くらいになれば、15本に1本くらいは当てる自信があります。
…次から真面目なやつです。
ネックの強度
ネックの強度は非常に重要な要素だと考えていまして、ここが駄目だと弦を弾いた際の振動がスポイルされて、鳴らないギターになると思ってます。 ここが、10の力で弾いて10返ってくるギターと、10で弾いて6しか返ってこないギターの違いに繋がる要素の1つだと考えています。
ちなみに、DonGroshというメチャクチャ良いギターを作る工房のDonGroshおじさんはネック強度が高いほど良い音がするという思想の下、ギター作りをされているそうです。
チェックする方法の1つとしては、ネックの振動の仕方を確認することです。具体的にはヘッドの先をつまんだ状態で弦を弾いて、どう振動するかを確認します。経験上、振動にブレが無く、できるだけ振動が均一なギターの方がバランスよく鳴る印象です。
重量
私はテレキャスターの場合3kg前後を基準に考えています。単純に軽い方が扱いやすいのと、あまり重いと鳴らなかったり、味気ない方に音が動く印象があるからです。
LsLのテレキャスターは2.8kgなのですが、低音は控えめで、カラッとした枯れたサウンドという感じです。そのようなビンテージフェンダー的な音を求めるならば、上に書いたような高強度のネック+軽いボディのギターを探すのが良いかもしれません。
もう一本のFenderCSのテレは3.1kgですが、低音がよく出て、温かみのある倍音が多くウェットなサウンドです。
3.1kgでも十分低音が出てるので、低音が欲しいからといって3kg後半とか、あまりに重いギターを選ぶ必要はないと思います。(恐らく、木材の特性、バランス等個体差も影響するものと思われますが)
出音を決める要素としての木材、ネック、ボディ
以前にLsLのネックをFenderCSのボディに取り付けて、弦も元のままで出音を確認したことがあります。その時の印象から、ネックとボディが出音に与える影響について書いていきます。
結論から書くと、ネックの影響力は大きく、PU等を替えても木材が良くないと良いギターにはならないと思います。
ネックが基本の音色(倍音構成等そのギターの音を印象づける要素)の7割程度を決める最重要部分だと私は考えていいます。ここが弱いとPU、配線等をイジっても基本的には良いものにはならないと考えていいと思います。LsLのネック+FenderCSのボディ、パーツ、電装系でも、かなりLsL寄りの出音でした。
また、ボディは出音の輪郭部分とレンジ感に関わってくる印象です。私の試したネックの入れ替えですと音の輪郭が若干ウェットになり、レンジ感が低音寄りになりました(FenderCSのキャラクターに近くなりました)。そういう意味では、ボディ重量によってレンジ感が上下する部分もあるのかもしれません。
ネットでこういう材だとこういう音みたいに書いてる人も多いですが、同じスペックでも音が違う個体差の大きいギターにおいては、少なくとも数十本ずつ同じスペックを弾いたとかでない限りあまり参考にならないと思います。
また、Y.O.Sという工房さんがブログで、違う木材でも同じ形、重量バランスで作ったギターはとても近い音がするということを書かれていましたが、この考え方を私は個人的に推しています。
ネックジョイント
ネックポケットはキツイ方が良いと考えている人もおられると思いますが、実際のところは緩すぎるとセンターズレを起こしやすい程度で、音の面でのマイナスは無いようです。
Fenderのマスタービルダーが、キツすぎず緩すぎずが良いと答えているインタビュー記事を見たことがあります。また、ネックの底面とボディ面の密着具合が重要なので、横の面がキツイとで摩擦がかかり逆効果だという考え方もあるようです。
ネックポケットの構造としては、ネジがネックまでささり、ネジを回すことでネックを引き寄せてボディとネックを密着させる力がかかるのが本来だと思いますが、私のLsLはボディのネジ穴が小さく、ネジがネックを押し出す形になり、ネックとボディの間に空間がある状態でした。
その後、ボディのネジ穴を広げて、ネックとボディがしっかり密着するようにしたのですが、これでも音は変わりました。
LsLの場合、加工をした後では良く言えば鳴りが増した(ギター全体で鳴るようになった)のですが、悪く言えばクリアさ(音の固さ?)はやや失われました。
リペアショップのブログで、ネックとボディをきっちりくっつけることで鳴りが増して音が良くなるみたいに書いてるところもありましたが、求める音にもよりますのでご注意ください。
また、Nashのように逆に標準でネックジョイントにピックシムを入れてるメーカーもあるくらいで、”オープンかつオーガニックなサウンド変化を得られる”とのことです。(2015年からは止めたらしいですが)
ちなみに、以前Fender Japanのストラトでピックシムを試したのですが、あまり良い結果は得られませんでした笑
ピックアップ
エレキギターでは、ピックアップで音が決まる、安いギターでもPU良いやつに替えれば十分みたいな声も多いですが、個人的にはそんなことないと思ってます。
もちろん出音への影響は大きいのですが、あくまで音に影響する部分が木材とは違うと考えてください。あくまで、その木材、構成パーツから出るトーンをどう拾うかに影響する部分。
PUに関して注意していただきたいのが、PUの高さ調整は交換と同じか、それ以上に出音に影響するということです。PUの高さで出音は全く変わるので、現状に不満がある場合は必ず、高さ調整をしてから交換を検討することをオススメします。
テレキャスターですと最終フレットを押さえた状態で、1弦とリアPUの間が1.8mm、6弦が3.8mmを基準にして調整しています。基本的に下げた方が倍音が増えて味のある音になりますが、下げすぎると抜けが悪くなるのでご注意ください。
配線
実はここでも音が変わります…よくビンテージ配線材のブラックエナメル(単線)に交換とかありますが、良いギターにはやらないほうが良いと思います笑
元気の良い音というか、独特の変化はするのですが良いギターでこれをやると、繊細さを損なうのであまりオススメしません。安い価格帯のギターで、やや味気なさを感じている場合などには試してみる価値があると思います。フェンダー系のギターであれば、いわゆるクロスワイヤー(撚り線)が間違いないですね。
また、余談ですが、テレキャスのアウトプット部分をFree the toneのソルダーレスパッチ用のケーブル(シールド線)に交換して、アースもちゃんと落としたところ、ノイズが激減、音量がやや落ちギブソンのセミアコみたいな音に激変しました。家に使わないギターがあれば試してみると面白いと思います笑
ギブソン系を殆ど使わないので分からないのですが、あの音ってシールド配線の影響もあるんでしょうか…?
塗装
塗装でも音は変わります。しかし、薄い程良いかというとそうは思いません。
厚すぎる塗装は振動を阻害するので倍音が減り開放感の無い音になるが、ある程度薄ければそこまでは影響しないと考えています。あと、単純に塗装の強度も落ちますからね。
フェンダージャパンのテレキャスターの分厚い塗装を剥いだことがあるのですが、その時はかなり開放感のある音に変わりました。逆に考えると、鳴り過ぎなギターは塗装を厚めにして抑えるとかもできるかもしれませんね、わざわざやるようなものでは無いかもしれませんが。
コンデンサ
トーンを10で使う場合は、こだわる必要は無いと思います。同じ定数であれば、メーカーの違いとかもあまり感じませんね…
しかし、Ovaltoneの鵺デバイスというコンデンサ的な物は、普通のコンデンサーと違って1~2kHz辺りを残しながらハイが削れるので、かなり使いやすいです。
あと、普通のコンデンサだと殆ど感じませんが、鵺デバイスはそういう回路になってますので、トーンフルの音も変わって、わずかに高音が出るようになります。(モールド剥がして中身確認しました、めっちゃ大変なのでオススメしません笑)
ちなみに、トーンにコンデンサをつけているだけでもギターってめっちゃハイ落ちしてるので、求める音によっては、いっそのことトーンをカットするのもありかもしれません。
弦高(9/26追記)
実は弾きやすいからといって弦高を下げすぎると良い音が出ません。基本的に弦高を高めにしたほうが、音に張りが出るイメージです。(※PUと弦の距離が変わることによるものなのか、それ+αの何かがあるのかは分かりません…)
アルテロという滋賀の工房の職人さんから、プロでも弦高を上げた音が好きで極端に高いセッティングにする人がいるという話を聞いたことがあります笑
まとめ
手頃なギターの改造も楽しいし良いと思うのですが、やはり、木材から良いギターも一度弾いてみることは、見識を広げる意味でも、自身の耳を育てる意味でも有効だと思います。また、パーツ等でどうにかなる部分とならない部分があるということは、損をしないためにも是非、頭の片隅に置いていただければと思います。
ギター選びの話になると、最終的には結局好みというような結論になりがちですが、好みとかの前に重要な、根本的なクオリティの高低があると私は考えています。もちろん、自分が納得して使えることが大切だというのは間違いないのですが、先々で後悔しないように、こちらの記事の内容も少し思い出していただければ幸いです。
今回も読んでいただきありがとうございます。
コメント